今回は鋳造で作った「ゴーヤーチャーム」を制作過程からじっくりご紹介します!
前回ご紹介した「シーサーチャーム」について2作品目ですが、すっかり慣れてきました。
ゴーヤーチャームを制作のこだわりとポイント
こんな思いがあり「商品として実現したかった」というのが企画の経緯です。
ロストワックスというやり方で鋳造します。
最初にワックスで造形する
ここで言う「ワックス」とは蝋の塊のことです。google検索で「シートワックス 鋳造」で調べると色々と出てきます。今回は7mm厚のシートワックスを使ってゴーヤーを再現してみます。初めて作るので成功するかわからなかったけど一部始終を画像に収めたので公開します!
1、まずは7mmのシートワックスを直径35mmほどの円に切り出します。私の場合は金鋸でキコキコ切りだしました。ちなみに少し歪んでいるのはわざとですよ。
2、次に、ゴーヤーって輪切りにすると中央にぽっかり穴があるので、同じく穴を開けました。これも金鋸でキコキコくり抜いた感じです。冒頭でゴーヤーのシルバーアクセサリーがないって書いていたけど、この形状のアクセサリーが意外とないんです!
3、外縁にギザギザをつけました。まあまあ時間がかかる作業です。この時はタイヤっぽいなってちょっと不安になりました!
4、次は側面にギザギザを入れて行きます。両面に入れていくことでゴーヤーっぽさが出てきました!でも側面をギザギザにすると、中央付近が綺麗に盛り上がって見えてまだタイヤっぽい、、、。なので、この中央付近にテコ入れをします!
5、側面にギザギザに合わせて削るとゴーヤーっぽさが出ました!これで安心。あとはヤスリで気になるところを調整して行きます。
もうちょっと頑張ったんですが、写真を撮り忘れてしまいました!!でも上の画像が完成間近の画像です。
結構時間がかかりました!!こだわりが強いので細かいところを気にしては削ってを繰り返し、トータルで5時間はかかっているかも、、、。でも良さげなゴーヤーができそうです!
これをキャスト屋さんに持って行けば、完成まで行けちゃうのが鋳造で作るいいところ。
キャスト屋さんに鋳造していました!
前回のシーサーチャームは液ゴムでゴム型を作成しましたが、今回は焼きゴムで作りました。液ゴムと焼きゴムでどう違うのかというと、焼きゴムの場合は地金で原型を取らないといけないんです!液ゴムの場合はそのまま作れるのですが、ゴム型の作成費用が高いです。焼きゴムの方が安いのですが、地金代が別途かかるという感じです。
なので、小さい作品だと焼きゴムで型を作った方が良くて、大きい作品だと液ゴムで型を作った方が良い!と覚えておくと良いかもです。
そして、個人的な意見になりますが、ワックスで原型を作って鋳造を注文するのであれば、どっちかというと焼きゴムで作った方がいいと思います。なぜかというと「地金」の原型が手に入るからです。液ゴムだとゴム型とワックスの原型が戻ってきますが、地金の丈夫な原型の方がいいじゃないですか!!
そして完成したゴム型がこちら
裏と表とで真っ二つに分かれていました。液ゴムは白の半透明でしたが、焼きゴムは不透明のゴムです!このゴム型でワックスを増産するため、ワックスの注入口が下にあります。
重ねるとピッタリはまります!
これが焼きゴムでゴム型をオーダーするときにできた地金の原型です。真鍮で作りました。ゴム型が消耗して使えなくなったときに、この原型で再度ゴム型を作ることができます。
うら側には湯道と言われる注入口(2枚目画像左上)があります。注文の時に湯道の位置指定はしていないのですが、良い塩梅の箇所に配置されていました。
キャスト屋さんからはこんな風に渡されます。一度ゴム型を作ったら何個でも造形されたワックスを量産できます!
量産したワックスを石膏の中に入れて固めて、石膏に熱々のシルバーを注入するとワックスが蒸発して無くなって、造形されたシルバーができる仕組み!これが「ロストワックス」っていう製造方法です!
鋳造された「ゴーヤーチャーム」がこれ!
見ての通り「真っ白」です!チョークの白みたいに真っ白!写真の左下にはシルバーを切り離したバリのような突起があり、その切り口だけがシルバーの輝きを放っている感じです!この後に「バレル研磨」をしてピッカピカにしてもらいます!
ちなみに左下の突起のバリは「湯道」と言って、シルバーを石膏に流し込んで、ワックスの造形までのシルバーの流れ道の「口」の部分です。最後に切り離すためにこのような突起ができます。
バレル研磨後!
一応「裏」と「表」を掲載しましたが、もうどっちかわからん!
バレル研磨についてはキャスト屋さんではなく、前回同様に凄腕の別の方にしてもらいました。今回は数が多かったので、依頼して7日間待ちました。期待通りにピッカピカです。なんか半田を垂らした時を思い出す、、、そんな輝きです!
ワックスからの依頼でバレル研磨まで17日間ほどでゴーヤチャームの出来上がり!そして、この後にいぶしを入れます!
※一応参考として、キャスト屋さんにそのままバレル研磨までお願いをすれば7日間くらいで仕上がります。
いぶし加工をする!
お湯に「いぶし液」を垂らして2分〜3分でシルバー全体が真っ黒になります。あのピッカピカのチャームがこんなになっちゃって、初めての時は「やっちゃったな」って思うほどの変貌!この後、銀磨きで磨きます。
いぶし後に仕上げ磨きをしたゴーヤーチャーム
銀磨きで磨けないところに「いぶし」が残って立体感が生まれます。やはり、いぶしを入れた方が銀特有の重厚感があって良いです!
そして完成がこちらです!
鋳造では2作品目となるゴーヤーチャームの完成です。重量もあって、ゴツめの仕上がりになりました。思った通りの仕上がりで満足!!