縫製の強度は?
絶対に手縫いの方が強いです。
理由は、手縫いの場合、針孔に交差させて縫い込んでいくため、一つの針孔に2本づつの糸が通っているためです。
一方、ミシン縫いは上糸と下糸2本の糸で縫い合わせています。従って、一箇所ほつれると、スルスルと糸がほどけてしまいます。下にわかりやすい図解を用意しましたのでご確認ください。
※下図参照
さらに、手縫いは縫い糸についても強度が違います。手縫いの場合、ミシンでは扱えない蝋引き糸という糸を使用するため、糸自体の強度もあります。
ステッチについて
手縫いのほうがステッチがきれいです。スナプナの商品は全て5mmピッチで針孔をあけています。
縫う前に「ヒシ目打ち」という道具で事前に針孔を開けてから縫っていく方法です。
当然ミシンもピッチを合わせて縫っていますが、針孔の質が違います。
手縫いで開ける「ヒシ目打ち」の針孔は大きくしっかりしています。
※下の画像をご参考ください。
見ての通り、縫い目の見た目が整っていてキレイです。
一方、ミシン縫いの針孔は縫いと同時に針孔をあけていくので、針孔は針の太さと同じです。
手縫いとミシン縫とでは、双方のメリットやデメリットがあると思いますが、結局は作り手のテクニックによると思います。
仕上がりの見た目について
やはり事前に決まったピッチでしっかりした針孔をあけた後に縫い上げていく手縫いの製法のほうが、ステッチがきれいに仕上がると言えます。
※以下、参考画像
太い糸(ビニモ0番)で5mmのピッチで縫うと上画像のようなステッチになります。ステッチもデザインの一部のような感じです。
これはミシン縫では再現できない仕様です。
まとめ
- 手縫いの方がミシン縫いに比べて強度がある
- 手縫いの方がミシン縫いに比べてステッチが美しい
- 手縫いはステッチがデザインの一部になる
手縫いのデメリットは「製作の手間」です。やはりミシン縫と比べると時間がかかります。こればかりはどうにもならないですね。でも、革製品は長く使えることが重要だと思うので、手縫いで作ることがベストだと私は思います。